2014年1月14日火曜日

VRINフレームワークとは:経営資源の分析ツール

経営戦略のツールとしてVRIOフレームワーク(参照)はよく聞くが、VRINフレームワークとは何か。
日本語検索してもあまり出てこないのでまとめてみた。

フレームワークの主目的は同じで、経営資源における競争優位性のソースを分析するツールである。
RBV(Resource-based View)の主要な理論の一つだ。

VRINでは最後の一文字が違い、Organisation(組織)の代わりにNon-Substitutability(代用可能性)が使われる。

Value(価値):その経営資源は価値を作りだせるか
Rarity(希少性): その経営資源に希少性はあるか
In-imitability(模倣可能性): その経営資源は模倣されないか
Non-substitutabitily(代用可能性): その経営資源は代用可能ではないか

例として素晴らしい工作機械を保有している企業を想定してみる。
V:その機械は効率や品質向上などの価値が出せるか
R:その機械はどこでも手に入るような代物ではないか
I:その機械は誰でもすぐ真似して作られてしまわないか
N:その機械で出来ることは(多数の工作員などで)代用可能ではないか
と、こんな感じで分析していくことになる(実際はもっと広く深い分析が必要だろう)。

VRIOとの違いについてだが、Organisational Capability(組織能力)をどう扱うかの問題だと個人的には思う。
VRIOのOは組織がVRIの三文字にある潜在的な競争優位性を享受できるかを分析している。それに対して、VRINは全て経営資源の潜在的な優位性の分析に焦点が置かれている。
そういう意味でVRINの方が純粋に経営資源を分析し、競争優位性を評価できるフレームワークだと思う。

上の例で補足するなら、高価値を生み出せる希少かつ真似できない工作機械を持っている組織体制の整った日本企業でも、同じ価値の創出を多くの工作員の手作業などで代用できてしまえば、それが出来る発展途上国の企業などと比べて、競争優位性は確実に劣るだろう。
(ただ、安い人材を経営資源としてみれば希少性・模倣可能性の点で日本企業が劣っていると捉えることもできるのだが。)

ということで、Oでカバーされる組織能力(Capability)は他のツールなどで分けて分析するべきだと思う。ただ、組織”能力”自体もVRINを使って分析できたりするかもしれない。

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